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高齢者が「自分自身でできる」をサポートする自立支援介護とは?

高齢になり身体機能が衰えていくにつれて、日常生活の中でも難しい動作が増えてしまうことは、介護における大きな課題でもあるでしょう。
近年注目されている自立支援介護では、高齢者が可能な限り、自分自身の力で生活ができるようにサポートを行っています。

今回は自立支援介護について詳しく解説し、トータルライフケアで実施している具体的な取り組みもご紹介します。
ぜひ最後までご覧ください。

自立支援介護とは

自立支援介護とは、高齢者の意思を尊重し、自立した生活を支援することです。
高齢者になると、歩行や階段の上り下り、トイレや入浴など、これまで当たり前にできていたことができなくなってきます。

できないことが増えたり、できない状態が続くことで、身体的自立の低下、寝たきり、おむつなどによる依存心の出現等の精神的自立の低下、要介護状態による家族や社会への負担など、社会的自立の低下をきたすことがあります。
自立支援介護では、生活の質を向上させ、介護が必要な状態からの回復を促していきます。

自立とは

日常生活を送る上で身体的な自立がイメージされることが多いですが、精神的自立、社会的自立も支援していくことが大切です。

日々の食事や排泄、入浴などができている状態であれば、自分自身の意思で行動をすることもできるでしょう。
トータルライフケアにおける自立支援では、身体的自立性の回復を目的とし、精神的、社会的自立性においても回復できるような自立支援介護サービスの提供を目指しています。

自立支援介護を行う目的

自立支援介護を行う目的は主に、要介護状態といわれる常時全ての生活において介護が必要な状態を予防すること、寝たきりではなく自らの意思で行動できる状態を維持することにあります。

身体や精神の機能が低下していくにつれて、同様に認知機能や社会的な自立も低下していってしまうでしょう。
相互に作用している自立の関係性はひとつが欠けても、寝たきりの状態を招いてしまう可能性があります。

より健康に日常生活を送っていただくために、高齢者の方が自立して動くことができる支援は大切です。

自立支援介護における4つの基本ケア

高齢者で多く見られる状態として、低栄養、排便困難、寝たきり、運動不足があります。
トータルライフケアでは適切な水分ケア、栄養ケア、歩行を中心とした運動ケア、生理的・規則的な排便ケアの項目を4つの基本ケアとしています。
4つの基本ケアに基づいて、ご利用者さまの状態に合わせた自立支援介護を行うことが大切です。

適切な水分ケア

高齢になると喉の渇きを感じにくくなりますが、人間にとって生きていく上で水分は欠かせないものです。
高齢者が1日に摂取するべき水分量の目安は1500mlといわれています。
水分摂取が足りていないと脱水症状になってしまうこともあるため、高齢者の方には特にこまめな水分補給を行うことが大切でしょう。

日頃から喉が乾く前に定期的な水分摂取を促したり、ご利用者さまの好みに合わせて果実やゼリーなど飲料以外の方法でも水分を取れる食事をご用意するなど、水分補給においてもさまざまな工夫を行う必要があります。

適切な栄養ケア

水分補給と同様に、栄養が低下している状態も寝たきりになってしまう要因となるため、食事についてもケアが必要です。
高齢者が1日で摂取するべき栄養は1500kcal以上といわれています。
食事をする際の噛む力や飲み込む力も健康を維持するためには重要な要素であるため、日頃から意識的に噛む練習や飲み込む練習を行うこともあります。

トータルライフケアでは、食事後の口腔ケアにも力を入れています。
口腔ケアを行うことで歯周病や虫歯だけでなく、全ての健康にも影響がある誤嚥性肺炎や心疾患、糖尿病の悪化を予防する目的もあります。

口腔ケアについて詳しくはこちらもご覧ください。

口腔ケア

歩行を中心とした運動ケア

自立した生活を送るためにも、運動によって筋力の低下を防ぎ、健康な生活を維持するための取り組みは重要です。
本人のペースに合わせて歩行などの運動を取り入れるだけではなく、レクリエーションなどを取り入れつつ、本人の意思で動くことも大切にしています。

1日2kmの歩行運動が望ましいとされているため、距離を歩くことは効果的ではありますが、無理をすると体の負担になってしまうことも考えられるでしょう。
寝たきり、座ったきりの状態が多い方はまずは立ち上がることや数歩でもあるくことを意識しています。

運動を習慣化することで筋力の向上を図ることができるでしょう。

生理的・規則的な排便ケア

食事や運動量が減ることで、排便も減ってしまうことが考えられます。
自立支援介護においては3日以内の自然排便が目的とされているため、自然な排便を促すためのケアも実施しています。

そのためには、基本的ケアの他の項目である適切な水分補給、栄養補給、運動を行うことが必要であり、また個人の自然排便の頻度を確認し、必要性に応じて不足しがちな水溶性食物繊維を補っていただき、規則的な排便を促すケアを行っています。

以前は便秘の方には下剤を使用することも一般的でしたが、下剤に頼ることで自然なリズムの排便が難しくという課題もありました。
自然な排便のためには他のケア項目をバランスよく実施し、身体的、精神的な状態をより自立に近づけていくことが大切です。

トータルライフケアで実施している認知症介護

認知症は高齢期の代表的な精神疾患のひとつです。
認知症になると、ひとり歩き(徘徊)、暴言、暴力などの周辺症状と呼ばれる症状が現れます。

現状、認知症の根本的な治療方法は見つかっておらず、進行を抑制したり緩和することが主な支援です。

トータルライフケアでは、認知症の症状があるご利用者さま一人ひとりに適した認知症ケアプランを立案、ケアを実施しています。
認知症介護についてはこちらも合わせてご覧ください。

認知症介護

トータルライフケアのケア事例


とあるご利用者さまは認知症の傾向があり、通所介護施設を利用し始めた当時は無闇に立ち上がるなどの行動が見られました。
そこで、4つのケア理論に応じたケアプランを作成し、ご利用者さまへ支援を行いました。

具体的には午後から調子が悪くなる傾向があったため、ケア理論に基づいて午前中にしっかり水分摂取していただき、排泄や睡眠を促すようにしました。しばらく続けていると、徐々に、立ち上がりの症状がなくなっていったのです。

ご利用者さま自身も落ち着かれ、表情も穏やかに。周囲とのコミュニケーションも取るようになっていきました。
高齢者の水分摂取は非常に重要なのですが、自分から意識することは難しいことの方が多いです。そこで、ご自宅でも管理できるような資料やノートをご用意し、施設にいるときだけでなく自宅でも実施できるよう意識づけをするための取り組みも行っています。

まとめ

今回は自立支援介護について詳しく解説し、トータルライフケアで実施している具体的な取り組みもご紹介しました

トータルライフケアではご利用者さまが自立した生活を送っていただけるように、4つの基本ケアに基づいてさまざまな支援を行っています。
ご利用者さまの意思も大切にしながら、水分や栄養、運動、排泄など身体的自立を高めるために、日々寄り添ったケアを行うことで、より良い日常生活を送っていただけるでしょう。

本人の希望をより叶えるための支援ができるよう全事業所で取り組んでいます。

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